帰省先の「なんかゲームしようよ」は、実家の遊び道具では意外とさばけません。ボードゲームは出すのも片付けるのも大仕事で、小学生と祖父母が同じ土俵に立てる遊びとなるとさらに絞られます。この記事は、スマホ 1 台・道具なし・無料・登録なしで、3 世代が公平に遊べるゲームの使い分けをまとめたものです。
15 分の暇つぶしから食後の 1 時間まで、どちらにも使えます。書いているのはパーティーゲームサイト「まわして」の作者で、紹介する 4 本は全部そこのゲームです。そのかわり、僕が「世代差がハンデにならないように」設計した部分と、向かない場合まで正直に書きます。
先に実家ならではの心配をひとつ片付けておくと——電波の弱い実家でも遊べます。ゲーム画面 (「あそぶ」を押した先の人数を決める画面) まで進めておけば、そのあとは通信なしで最後まで動きます。人数は 1 卓 3〜8 人 (「スマホ 1 台」は 1 卓あたりの話で、親戚が多いときの分け方は後述します)。
食後の 1 時間はこう組む
おせちのあとの座卓を想定した進行例です。こたつでも居間のテーブルでも同じ形が使えます。
- 食後すぐけたちがい (数字の当てずっぽう)知識で大人が勝つとは限らない。全員が同じ土俵に立つ 1 本目
- +15分めもりあわせ (協力ゲーム)低学年も入れる。競わないので負けて泣く子が出ない
- +30分だれだっけ or 知ったかグルメなつかし話・給食の思い出で世代がつながる
- 眠くなったらそこで終わりラウンド単位で切り上げられる。正月に完走は要らない
15 分だけならけたちがい 1 本 (約 10〜15 分) で十分です。けたちがいとめもりあわせはラウンドの切れ目でいつでもやめられます。だれだっけだけは前半 (回答) と後半 (当てっこ) の二部構成なので、途中でやめず 10 分で完結する最後の 1 本として使ってください。
順番は家に合わせて入れ替えてください。負けるとすねてしまう小さい子がいる家は、競争のないめもりあわせを 1 本目に。耳が遠い家族がいる家は、声の聞き取りが少ないけたちがいとめもりあわせを中心に (だれだっけと知ったかグルメは声で答える・語るゲームなので、聞き取りが前提になります)。
家族全員で楽しめるゲームは? — 数字の当てずっぽうが効く
3 世代で一番効くのはけたちがいです。「卓球台の縦は何 cm?」のような、正解がひとつだけある数字クイズに、全員がこっそり予想を入力します。全員ぶんそろうと、誰の答えか伏せたまま数字が小さい順に並び、順番に「いちばん正解に近いと思う答え」に印をつけて開票します。
これが家族向きな理由は、知識を問うように見えて、正確に知っている人がまずいないことです。大人の知識も子どもの当てずっぽうも同じ列に並びます。「30」と「300」が同じ列に並ぶ回もあって、そうなると正解が出る前からもうネタです。4 ラウンド固定で、近かった人に 2 点、その答えを見抜いて印をつけた人にも 1 点 (自分の答えに印をつけた場合は入りません)。点の半分は「人の答えを見る目」で入るので、くわしい人が独走しない作りです。正解のあとには一言の豆知識が出るので、外れた回も「そうなんだ」で終われます。
cm や mm の見当がまだつかない小さい子には、難しいお題も出ます。その場合は「いくつだと思う?」と聞いて、出た数字を大人が代わりに入力する運用にすれば、当てずっぽう勝負なぶん子どもの数字がいちばん近い回もちゃんと起きます。

低学年の子がいるなら「めもりあわせ」
小学校低学年が混ざるなら、協力ゲームのめもりあわせを早めに入れてください。「ひえひえ↔あつあつ」のような目盛りの位置をヒント役だけが見て、「たこやき」のような一言で全員に伝え、みんなでスライダーの位置を合わせにいくゲームです (1 ゲーム約 10〜15 分)。
家族向きな点は 2 つ。たべもの・どうぶつのお題は低学年でもそのまま参加できること。そして対戦ではなくチーム戦なので、負けて泣く子も、孫に勝ってしまって気まずい祖父母も出ないことです。ヒント一言が通じるかどうかは相手との共通体験の量で決まるゲームなので、長く一緒に暮らした家族はそもそも有利なメンバー構成です。
めもりあわせ紹介ページへ →その「なんとなく」を、合わせにいく。3〜8人6人で約20分スマホ1台なつかし話を引き出すなら「だれだっけ」と給食デッキ
祖父母世代に一番効くのは、思い出がそのままゲームの燃料になる 2 本です。
だれだっけは、「宇宙人に紹介したい、地球でいちばんすごいものは?」のような質問に全員が声で答え、あとで「あの人、なんて答えたっけ?」を思い出して当てるゲーム (1 ゲーム約 10 分)。質問は空想やなつかし系なので、子どもも答えに詰まりません。ふだんの会話では出てこない答えを引き出す質問の作りなので、長く知っているはずの家族から知らない一面が出る余地があります。入力は不要で、答えは声だけ。
だれだっけ紹介ページへ →あの人、なんて答えたっけ?3〜8人6人で約10分スマホ1台知ったかグルメの「幻の給食メニュー」デッキは、実在しない給食メニューを全員が食べたことある風に語りつぐお題です。給食はどの世代にも共通体験で、揚げパンの世代と脱脂粉乳の世代では「給食っぽさ」の中身が違う——そのズレ自体が語りのネタになります。語りが苦手な人はパスして次にまわせます。
知ったかグルメ紹介ページへ →食べたことないのに、うまそうに語れ。3〜8人6人で約15分スマホ1台親戚が 10 人を超えたらどう分ける?
正月の集まりは 1 卓の上限 (8 人) をすぐ超えます。4〜6 人の卓に分けて、卓の数だけスマホを使ってください (12 人なら 4 人 × 3 卓。人数別の早見表は卓分けの記事に)。分け方は大人卓と子ども卓でも、世代を混ぜてもかまいませんが、けたちがいは混ぜたほうが「大人が勝つとは限らない」が効きます。進行は各卓のゲームが持つので、言い出しっぺが全卓を回る必要はありません。食事の前後で卓のメンバーを組み替えると、話していない親戚が残りません。
料理が出てくるまでの待ち時間に、先に集まった数人だけで 1 本始めてしまうのも手です。ゲームは 3 人から立つので、全員がそろうのを待つ必要はありません。
スマホに慣れていない家族がいても大丈夫?
判断してもらえるよう、操作の実態を並べます:
- 操作するのは自分の番が回ってきたときだけ。持ちっぱなしで画面を追い続ける場面はありません
- 操作の種類はタップ・キーパッド・スライダーの 3 つだけ。文字入力は 1 度も出てきません。だれだっけに至っては声で答えるだけで入力ゼロです
- ルール説明はゲーム内の画面が 1 手番ずつ指示してくれるので、事前にルールを覚える必要がありません。「画面に出たとおりにやって」で通ります
- 効果音はワンタップで消せます。テレビがついている居間でも喧嘩しません
最初のゲームをけたちがいにしてあるのはこのためでもあります。1 手番の操作が「数字を打って伏せる」だけなので、スマホの操作練習がそのまま 1 巡目になります。
まとめ: 正月の家族ゲームは、実家に道具を増やさなくていい
正月の遊びは、実家に何かを持ち込んだり買い足したりしなくても、集まった誰かのスマホが卓に 1 台あれば足ります。数字の当てずっぽうで全員を同じ土俵に乗せて、小さい子がいれば協力ゲームから、場が乗ってきたら給食の思い出へ。眠くなったらラウンドの切れ目でやめる。食後のお茶が出てくるまでの 15 分で、まず 1 本試してみてください。