僕が作っているパーティーゲームサイト「まわして」の全 10 ゲームは、1 卓 3〜8 人です。だから幹事にとっての分岐点は、9 人目が来た瞬間——1 卓に詰め込めなくなったとき、どう割るか。答え自体はシンプルで「4〜6 人の卓に分けて、卓の数だけスマホを使う」です。

この記事ではその理由と、分けたあとに起きる実務 (端末・ゲームの配り方・組み替え) をまとめて解説します。シーン別の記事に散らばっていた卓分けの話の、集約版です。

大人数は、何人を何卓に分ける?

人数卓構成の目安要るスマホ
9〜10 人4〜5 人 × 2 卓2 台
11 人5+6 の 2 卓2 台
12 人4 人 × 3 卓3 台
13〜15 人4〜5 人 × 3 卓 (14 人は 5+5+4)3 台
20 人5 人 × 4 卓4 台
30 人5 人 × 6 卓6 台

表にない人数も、全卓が 4〜6 人に収まる割り方ならどれでも可です。逆に 14 人を 7+7 にするような「上限内だが大きい 2 卓」は、次の節の理由でおすすめしません。

なぜ 8 人まで詰めずに、4〜6 人で割るのか?

上限の 8 人まで入れてから割ればいい、と思われがちですが、上限より少し下のほうがゲームは快適に回ります。理由は算数です。この形式のゲームは「1 人ずつ順番に何かをする」構造なので、1 周にかかる時間は「1 人あたりの手番時間 × 人数」で決まります。タップだけのせーのドンなら 1 手番は数秒なので 8 人でも軽い一方、1 人 20 秒語る知ったかリレーは、8 人卓だと 1 ラウンドの語りだけで 2 分 40 秒、3 ラウンドなら語りだけで 8 分——自分の番が来るまでの待ちが目に見えて長くなります。4〜6 人なら 1 周が速く、「もう自分の番?」の密度で回ります。

端数はきれいに割れなくてかまいません。11 人は 5+6、13 人は 4+4+5——均等であることより「全卓が 4〜6 人に収まる」ことを優先してください。どうしても 3 人の卓ができるときも、全ゲーム 3 人から成立するので問題はありません。少人数の卓は 1 人の比重が濃くなるので、負荷を避けたいならタップ中心のゲームを、逆にその濃さを楽しむなら推理系をラウンド多めで——どちらに転がすかは卓のメンバー次第です。

もうひとつ、人数を絞ること自体が配慮になる場面があります。10 人の輪の中で手番が来るのと、5 人の卓で手番が来るのでは、浴びる視線の量が違う。人前で話すのが得意でない人が混ざる会ほど、卓は小さいほうが優しくなります (この観点は話すのが苦手な人向けの選び方に詳しく書きました)。

卓の数だけ要るもの: スマホと、事前準備

卓を分けると、スマホも卓の数だけ要ります。用意の手順は当日で間に合います——卓が決まったら、卓ごとに充電残量の多い人を 1 人決めて、その人のスマホでサイトを開き「あそぶ」を押して人数画面まで進めてもらう。1 台あたり 1〜2 分で、幹事が事前に端末を借りて回る必要はありません。回す端末は他人の手に渡るので、通知だけオフ (またはおやすみモード) にしてもらうと持ち主も周りも気楽です。会社支給の端末しか持っていない人には頼まず、私物を出せる人にお願いしてください。

ただし、電波の不安な場所 (バス・山の宿) で遊ぶ会だけは、この仕込みを電波のあるうちに全端末で済ませておく必要があります。当日「もう 1 卓増やそう」となったときに詰むのは、たいていゲームではなく端末の準備です。どうしても台数が足りないときは、卓を減らして代表の卓が前で遊び、残りは観客に回る形もあります (教室のレクで使われている型です)。観客を長く待たせないよう、1 ゲームごとに卓のメンバーを交代してください。

同じゲームを配るか、別々にするか?

別々でかまいません。これが意外と知られていない自由度です。成立する理由は作りにあって、このサイトのゲームは進行 (誰の番か・次に何をするか) をぜんぶ画面が持っています。幹事が各卓を回ってルールを説明したり順番を仕切ったりする必要がないので、卓 A がトーク系・卓 B が無言系でも、それぞれ勝手に回る。むしろ卓ごとに音量帯やテンションを変えられるのは分割の利点で、騒ぎたい人の卓と静かに遊びたい人の卓を共存させられます (同じ部屋でやるなら、騒ぐ卓と静かな卓は部屋の端と端に離してください。隣どうしだと静かな卓が一方的に負けます)。

正確に言うと、これで幹事が解放されるのはゲームの進行からです。会の運営 (会計・店とのやりとり・遅刻者の受け入れ) は残ります——だからこそ、ルール説明と順番の仕切りを画面に任せられる分だけ、幹事が卓に座って遊べる時間が生まれる、という順序です。ゲームまわりで幹事が握るべきことは 2 つ。各卓に「最初にタップする人」を 1 人決めておくこと (号令だけかけても、誰も最初のタップをしない卓は必ず出ます。端末の準備もその人に振れます)。そして終わりの時刻を開始前に全員と握っておくこと——騒がしい店では途中の号令は届かないので、「20:30 で締め」を先に共有しておくのが確実です。

せーのドン紹介ページへ →みんなの答えを、当てにいく。3〜8人6人で約15分スマホ1台

分け方と、組み替えのタイミング

分け方の軸は会の目的で変えます。初対面の会はランダム——実務は番号数えが最速です。「1、2、3、1、2、3…」と順に番号を言ってもらい、同じ番号で集まる。仲良し同士で固まらせない仕組みとして、くじより速くて道具も要りません。

親戚の集まりは世代を混ぜるのがおすすめで (正月・家族向けの記事に詳述)、特に数字の当てずっぽう勝負のけたちがいは、大人と子どもを混ぜたほうが「知識のある大人が勝つとは限らない」の面白さが立ちます。

全員が知り合いの会 (ゼミ・サークル・追いコン) は、その会の主役や話の中心になる人を各卓に 1 人ずつ散らすのが軸です——固まると、主役のいない卓が「あっちが本会場」になります。役職差のある会 (部署の懇親会) も同じで、上の人は固めず各卓に 1 人ずつ。この形式は進行を画面が持つので、目上の人が仕切り役を引き受ける必要がなく、けたちがいのような当てずっぽう勝負なら部長と新人が同じ土俵に乗ります。学校は既存の班編成を優先してかまいません——8 人班でもそのまま成立します (4〜6 人の原則より、組み直しの手間ゼロのほうが教室では価値があります)。

もうひとつ、実務の道具として——6 卓もあれば、盛り上がらない卓が 1 つは出ます。そのときのために「卓ごとに別ゲームでいい」の自由度を救済カードとして取っておいてください。静かになった卓だけ、次をタップ中心の軽いゲームに差し替える。次の組み替えでその卓を優先的にバラす。全卓一斉に何かをさせるより、この 2 手のほうがよく効きます。

組み替えはゲームの切れ目でやるのが唯一のコツです。1 ゲームは短いもので 8 分前後、いちばん長いくるしいわけでも 30 分で終わり (多くは 10〜15 分)、区切りは自然にやってきます。声かけはひとつ覚えれば足ります——「各卓から 2 人、時計回りに隣の卓へ」。移動する 2 人を各卓で決めてもらえば、幹事が名簿を作る必要はありません。ラウンドの途中で人を動かすと得点や役割が壊れるので、そこだけ避けてください。遅れて来た人も同じで、進行中のゲームへの途中参加の仕組みはありません。次の切れ目までは観客として合流してもらい、切れ目で人数を組み直して新しいゲームを始めるのが正解です。遅刻者が読めている会は、その時間帯に短いゲームを選んで切れ目を早く作っておくと待たせずに済みます。

卓の物理も一言。輪になれる座敷や会議室なら円をつくり、居酒屋なら 1 テーブル = 1 卓、バスなら座席の前後 2〜3 列のかたまりが単位です。「スマホを手渡しできる距離」が卓の定義だと考えてください。

30 人規模で変わること

卓の数が 4 つを超えても、原理は同じです (30 人の新歓なら 5 人 × 6 卓)。変わるのは幹事の仕事の性質で、各卓の進行はゲームが持ってくれるぶん、「最初にタップする人」を 6 人決めておくことと、終了時刻の事前共有に仕事が寄ります。端末 6 台の確認も、その 6 人に振ってしまえば幹事の作業は消えます。全卓を同じゲームで揃える必要はありませんが、初対面の会だけは 1 本目を全卓同じゲームにしておくと、組み替え後に「さっきのあれ、そっちの卓では?」という会話の種になります。

まとめ: 卓分けは「詰め込まない・仕切らない・切れ目で混ぜる」

8 人を超えたら 4〜6 人 × N 卓、スマホと準備は台数ぶん、ゲームは卓ごとに別々でよくて、幹事は「最初にタップする人」と終了時刻だけ握って自分も遊ぶ。シーンごとの細かい事情——バスの座席で組む場合はバスレクの組み立て方、初対面の会はアイスブレイクの選び方——はそれぞれの記事にあります。卓の構成が決まったら、次は各卓に配るゲームとデッキ選び——お題デッキの選び方大全に場面別の早見表があります。9 人目が来ても、慌てずに卓をひとつ増やしてください。