集まりで出すゲームを選ぶとき、たいてい人数と所要時間で絞ります。6 人、10 分。それで合うものを出したのに、思ったほど盛り上がらないことがあります。
僕はスマホ 1 台をまわして遊ぶゲームを 13 本作っていて、そのすべてを 3〜8 人・5〜30 分の枠に収めています。人数も時間もほとんど同じです。それでも、遊んでいる部屋の空気は 1 本ずつ違います。違いを作っているのは人数でも時間でもなく、ジャンルでした。
まず早見表: 場の空気でジャンルを選ぶ
先に結論を置きます。
| タイプ | 場に起きること | ゲームの例 |
|---|---|---|
| 反射・瞬発 | 場に起きること声が出る、手が出る。考える時間がない | ゲームの例道具のあるゲーム (後述) |
| 当てっこ・読み合い | 場に起きること静かに考えて、開票で一気に崩れる | ゲームの例せーのドン、はぐれワード |
| 語り・創作 | 場に起きること喋る量が人によって偏る。うまい人が目立つ | ゲームの例知ったかリレー、くるしいわけ |
この 3 分類は、スマホ 1 台という制約から場を見たときの便宜的な軸です。ボードゲーム全体を分けるなら協力型・正体隠匿・デクステリティ (指先の器用さ) といった軸が別に要りますが、ここでは「その場の空気がどう動くか」だけで切っています。
選び方の原則はひとつです。場がまだ温まっていないほど、反射・瞬発の側から始める。逆に、いきなり語り型を出すと、話すのが得意な人だけが喋る時間になりがちです。
静かになるのはどのタイプか
当てっこ・読み合い型です。このタイプは、遊んでいる最中がいちばん静かになります。
せーのドンは 4 択の質問にこっそり答えて、全員で一斉に開票するゲームです。答えを入れている間、部屋は静かになります。そして開票の瞬間に声が出る。静かな時間と爆発する瞬間が交互に来るのがこのタイプの特徴で、ずっと賑やかなわけではありません。
はぐれワードも同じ構造です。ひとりだけ違うワードを持つ人を探すので、全員が人の話を注意して聞きます。聞いている時間が長いぶん、喋る量は少なくて済みます。
だからこの 2 本は、静かめの人がいる場に向きます。喋らなくても参加している状態が成立するからです。逆に、立ったまま遊ぶ場や周りがうるさい場には向きません。人の様子を見る余裕が要るからです。
喋る量が人によって偏るのはなぜか
語り・創作型は、構造的に発話量が偏ります。
知ったかリレーは実在しないお題を知ってる風に語りつなぐゲームで、くるしいわけは与えられた単語を使って言い訳を組み立てるゲームです。どちらも自分の手番でまとまった量を喋ることが遊びの中身そのものなので、喋るのが得意な人ほど有利になります。
これは欠陥ではなく、このジャンルの性質です。持ち時間を短くしたりパスを用意したりはしていますが、それでも「喋る量が均等になる」ようには作れません。均等にしたいなら、別のジャンルを選ぶほうが早いです。
例外に近いのがえでんごんで、絵を描いて伝えるので言葉が得意でなくても手が動けば参加できます。語り型の空気を出しつつ喋る量に依存しない、中間の位置です。
手渡し形式では、反射型が入らない
13 本には反射・瞬発型が 1 本もありません。作れなかったのではなく、手渡しという形式を選んだ結果、入らなくなりました。
技術的に不可能なわけではありません。スマホを机に置いてマルチタッチで受ければ、複数人が同時に画面を叩く早押しは作れます。でもそれをやると、このサイトの前提がひとつ壊れます。1 台を順番に手渡す形式は、画面を持っている人がその瞬間だけ主役になるために選んでいます。全員が同時に画面へ手を伸ばす設計にすると、その順番が消えます。
順番を捨てないかぎり、反射型は入りません。だからここは、道具のあるゲームのほうが素直に強い。全員がひとつの場を同時に見て、同時に手を出せるからです。3 つ挙げます。ドブルは絵柄を見つけて言うだけなのでルール説明が最短で、温まっていない場の 1 本目に置きやすい。おばけキャッチは逆に、進むほど条件が入り組んでいくので、ある程度ほぐれた場のほうが伸びます。ナンジャモンジャは反射だけのゲームではなく、自分たちで付けた名前を覚えている必要があるぶん記憶寄りで、テンポは少しゆっくりです。
反射で遊ぶなら、道具のあるゲーム
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ドブル 日本語版
ホビージャパン
- 2〜8人
- 約15分
- カバンに入る小箱
2枚のカードに1つだけある同じ絵柄を、見つけた人から声に出す。全員が同時に同じ場を見ているので、せーのドンと同じで「一斉に声が上がる」時間になる。
おばけキャッチ 日本語版
メビウスゲームズ
- 2〜8人
- 約20分
- 大人数でわいわい
5つのコマから、めくったカードの条件に合うものを一斉に掴みにいく。答えは分かっているのに手が違うコマへ伸びてしまい、外した人から順に笑いが起きる。自分の直感に裏切られるおかしさは、けたちがいで一人だけ桁がずれていたときに近い。
ナンジャモンジャ・ミドリ
すごろくや
- 2〜6人
- 約15分
- 休み時間にもできる
初めて出た生物にその場で名前をつけ、同じ絵が出たら誰よりも早くその名前を呼ぶ。自分がつけた名前を他の人に先に叫ばれたり、うろ覚えで全然違う名前が飛び出したりするのがおかしい。
この 3 つはどれも入手しやすくてルールが短い、いわば最初の 1 箱です。もう一歩進んで「次の反射ゲー」を選ぶなら、数を数えてベルを叩くハリガリあたりが候補になります。ルールの短さは保ったまま、置きにいく先が変わります。
人数が増えたら卓を割る
このサイトのゲームは 8 人までです。1 台を手渡す形式では待ち時間が人数に比例するので、9 人を超えると 1 周が長くなり、待っている人から会話が始まって場が割れます。上限は端末の数で決まるというのは、あくまでこの形式の話です。
10 人を超える場では卓を 2 つに割るのが早いです。分け方は大人数のときにテーブルを分ける方法に書きました。
話すのが苦手な人がいるときは
ジャンルで選ぶのがいちばん確実です。
当てっこ・読み合い型なら、発話量が少なくても勝てます。せーのドンは 4 択を選ぶだけ、はぐれワードは短いヒントを 1 つ言うだけで手番が終わります。喋りたい人は喋れて、喋りたくない人は選ぶだけで参加できる。この非対称がこのタイプの強みです。
もう一段はっきりさせたいときは、勝ち負けそのものを外すという手もあります。めもりあわせは競わない協力ゲームで、全員で 1 つの答えに寄せていく形なので、誰かが目立って誰かが沈む構造になりません。
語り型はどう配慮しても喋ることが遊びの中身なので、苦手な人には向きません。パスはできますが、パスが続くとその人だけ手番が無い状態になります。配慮で埋めるより、ジャンルを変えるほうが早いと思います。
シーン別・結局なにを用意するか
最後に、場から逆算した早見表を置きます。
| シーン | 選ぶタイプ | 具体的に | 用意するもの |
|---|---|---|---|
| 新年会・歓迎会の 1 本目 | 選ぶタイプ反射・瞬発 | 具体的にドブル | 用意するもの箱 1 つ |
| 異動してきた人がいる回 | 選ぶタイプ当てっこ | 具体的にせーのドン | 用意するものスマホ 1 台 |
| 腰を据えて飲む二次会 | 選ぶタイプ当てっこ・読み合い | 具体的にはぐれワード | 用意するものスマホ 1 台 |
| 話し好きが揃った場 | 選ぶタイプ語り・創作 | 具体的に知ったかリレー | 用意するものスマホ 1 台 |
| 静かめの人がいる場 | 選ぶタイプ当てっこ (協力型) | 具体的にめもりあわせ | 用意するものスマホ 1 台 |
| 学校の休み時間 | 選ぶタイプ反射・瞬発 | 具体的にナンジャモンジャ | 用意するもの箱 1 つ |
人数と時間が合っていても外れるのは、たいていジャンルが場に合っていないからです。まず場の温度を見て、次にジャンルを決めて、最後に人数と時間で絞る。この順にすると外れにくくなります。
せーのドン紹介ページへ →みんなの答えを、当てにいく。3〜8人6人で約15分スマホ1台スマホ 1 台で遊べるゲームは全部無料で、登録もインストールも要りません。当てっこ型と語り型はこちらで揃うので、反射で遊びたいときだけ箱を 1 つ足す、という組み合わせがいちばん軽いと思います。