かぶりけしは、お題を知らない回答者に単語を当てさせるため、残りの全員が 1 語ずつヒントを書く協力ゲームです (無料・1 卓 3〜8 人・登録なし)。ただし誰かとかぶったヒントは消えます。この記事は、その「かぶらないヒント」の出し方を、かぶり消去の仕様 (どこまでが機械に消されるか) から逆算してまとめたものです。

かぶらないヒントの型: 最初に浮かんだ語を捨てる

全員が「かぼちゃ」と書けば、回答者には 1 本もヒントが残らない。だからこのゲームの技術はただひとつ——みんなが書きそうな言葉を、書かないこと。型は一行で書けます。最初に浮かんだ語は、みんなの頭にも最初に浮かんでいる。だから 2 番目以降の連想から出す。

たとえばお題が「ハロウィン」(「ぎょうじときせつ」デッキに実在します) だったとして、最初に浮かぶのはたぶん「かぼちゃ」。5 人卓で 3 人が「かぼちゃ」と書けば、その 3 本はまとめて消えます。そこで連想を一段ずらす——時期 (10 月)、行動 (仮装)、もらうもの (おかし)。方向が違えばかぶりません。お題はどれも日常の名詞ばかりで、味・見た目・場面・思い出と複数の方向から連想できる語が並んでいるので、「逃げ道のないお題」にはまず当たりません。1 番目の連想を捨てても、どこかの方向が空いています。

コツをもう一段だけ具体にすると、「もの」より「文脈」に逃げるのが効きます。お題の見た目や中身 (かぼちゃ・おばけ) は全員が同じものを見ていますが、お題を「いつ・どこで・誰と」使うかの記憶は人によって違う。自分の文脈から出したヒントは、それだけでかぶりにくい。ただし逃げすぎには注意——ねらうのは「みんなが知っているのに、最初には浮かばない」あたりです。自分しか知らない文脈 (「おばあちゃんの家のあれ」) まで逃げると、生き残っても当ててもらえません。

紙上で 1 ラウンド回してみます。5 人卓 (5 人以上はひとり 1 語)、回答者はみほさん、お題は「ハロウィン」。けんが「かぼちゃ」、あきが「カボチャ」——表記のゆれは機械が同一視するので、この 2 本はまとめて自動で消えます。そらは「おばけ」、ゆうは「10月」で、こちらは方向が違うので 2 本とも生き残り。みほさんに見えるのは「おばけ」「10月」だけですが、この 2 本の重なる先はひとつしかありません——「ハロウィン!」、あたり。種明かしで消えた 2 本も公開されて、「かぼちゃかぶってる!」がその日の持ちネタになります。

カタカナに変えれば大丈夫? ——無駄です

「かぼちゃ」と「カボチャ」で差をつける作戦は、機械に見破られます。かぶりの自動消去は表記のちがいをそろえてから比べる作りで、ひらがな/カタカナ・全角/半角・空白・のばし棒の差は同じ語として扱われます。「らーめん」と「ラアメン」もかぶり扱いです (かといって「ビル」と「ビール」が同じにされる、みたいな雑な消され方はしない作りになっています)。表記の変装は無駄——逃げるなら意味の方向で、が仕様からの結論です。

では「かぼちゃ」と「パンプキン」なら? 機械はこれを消しません。意味が同じかどうかの判定は、機械ではなく出題側みんなの相談 (タップ消し) に委ねられています。つまり言い換えただけのヒントは、かぶり消しの相談タイムで「これ同じでしょ」と消される前提で書いてください。機械は「疑わしきは消さない」、意味が同じかどうかを決めるのは人間——この 2 段構えを知っていると、「どこまで離せば生き残るか」の距離感がつかめます。

ちなみにこの相談タイム、回答者が画面を見ずに待つ時間ですが、出題側の「それ同じでしょ」「いや、方向が違う」のこそこそ相談は、このゲームでいちばん盛り上がる時間のひとつとして最初から設計に入っています。消すかどうか迷ったら、迷いながら相談すること自体を楽しんでください。

かぶりけし紹介ページへ →かぶったら、きえる。3〜8人6人で約20分スマホ1台

めもりあわせと正反対、という覚え方

このサイトにはめもりあわせという、もうひとつの「一言ヒント」協力ゲームがあります。あちらは目盛りの位置を伝えるためにみんなと同じ感覚に寄せた一言を探すゲーム。かぶりけしは逆で、みんなと同じ連想から逃げるゲームです。同じ「一言をひねり出す」遊びなのに、うまさの向きが正反対——めもりあわせが得意な人ほど、かぶりけしでは「伝わりやすい一言」を書いてかぶります。頭の切り替えスイッチとして、この対比を卓で共有しておくと両方のゲームがうまくなります (めもりあわせ側のコツはヒントの出し方の記事に)。

めもりあわせ紹介ページへ →その「なんとなく」を、合わせにいく。3〜8人6人で約20分スマホ1台

3〜4 人のときは 2 語ずつ。散らし方は?

3〜4 人の卓では、ヒントの本数を確保するためにひとり 2 語書きます。このときやりがちなのが、2 語を同じ方向から出すこと (「10月」と「秋」)。せっかくの 2 枠なので、1 語目は自分の本命、2 語目は別の方向へ遠投してください。自分の 2 語が別系統なら、少なくともどちらかが生き残る保険になります。

ちなみに「お題のことばそのもの (やその一部) をヒントに書かない」は、機械が止めてくれるのではなくルール画面の約束事です。あえて機械で縛っていないのは、表記をずらせば抜けられる縛りは、縛りではなく抜け道の練習になってしまうから——ここだけは人間どうしの約束で守ってください。

デッキ選びで迷ったら、「はじめての人と遊ぶならまずこれ」という看板どおり「たべもの」から——ショートケーキのような生活の単語ばかりなので、味・色・場面と連想の逃げ道が見つけやすく、この記事の型の練習台にちょうどいいデッキです。

全部消えても、ゲームは壊れない

攻めた結果、ヒントが全部消えることもあります。大丈夫です——その場合は回答者がノーヒントで 1 回だけ答えて、ゲームは続きます。そして種明かしでは消えたヒントも全部公開されるので、「全員かぼちゃ」の画面はそれ自体がその日いちばんの笑いになります。結果画面の個人称号にも「いきのこり王」と並んで「おそろい王」——かぶり最多の人を称える枠——が用意されているくらいで、かぶりはこのゲームの失敗ではなく持ちネタです。安心して攻めてください。

最後に回答者側のコツを一言だけ。残ったヒントは「全員がかぶりを避け合った結果」なので、一見バラバラに見えます。ヒント同士に共通する中心を探してください——「10月」「仮装」「おかし」の真ん中にあるものは、ひとつしかありません。

まとめ: かぶりけしのヒントは、逃げてから当てにいく

最初の連想を捨てて 2 番目から出す。表記でなく意味の方向で逃げる。2 語持ちなら別の方向に散らす。消えたら消えたで笑いになる——それがかぶりけしです。初めての卓への説明は1 分台本集のかぶりけしの節をどうぞ。それでは、次の「全員かぼちゃ」をお楽しみに。