学級レクの企画で一番時間を食うのは、当日ではなく準備です。トランプを人数分そろえる、紙とペンを配る、当日になって道具が足りない——。この記事は、道具を一切使わず、スマホ 1 台だけで学級レクを組み立てる方法をまとめたものです。想定しているのは中学・高校の教室ですが、文化祭の出番待ちや部活の合間、修学旅行の部屋でも同じ組み立てが使えます。

休み時間の 10 分とお楽しみ会の 45 分、それぞれそのまま使える進行例を先に書きます。僕はスマホ 1 台をまわして遊ぶパーティーゲームのサイト「まわして」を作っていて、例に挙げるゲームはそこのものです。

休み時間の 10 分なら「1 ラウンドだけ」で遊ぶ

昼休みに机を寄せて遊ぶなら、1 ゲーム遊びきるのではなく、1 ラウンドだけで切り上げられるゲームを選ぶのがコツです。

たとえば知ったかリレーは、「逆さスイカ祭り」のような実在しないお題を、全員が知ったかぶりでリレー解説するゲームです。1 お題 = 1 ラウンドが数分で終わるので、休み時間との相性がいい。

知ったかリレーのお題画面。お題「ナマケモノより座布団」が表示されている
実際のお題画面。この回は架空のことわざ「ナマケモノより座布団」

お題は日常の言葉の組み合わせから毎回その場で生成されるので、同じメンバーで何度やってもネタ切れしません。3〜8 人・1 ラウンド数分、席の近い班の単位でちょうど収まります。

知ったかリレー紹介ページへ →知ったかぶりで、語りきれ。3〜8人6人で約15分スマホ1台

スマホは 1 台だけ使います。全員のスマホを出すとレクではなく「スマホいじり」に見えてしまうので、1 台で回る形は教室では利点です。

お楽しみ会の 45 分はどう組み立てるか

授業 1 コマぶんを任されたときは、移動と説明で 5 分、軽いゲームで場を温めて、メインを 1 本遊びきり、最後に 5 分残す。この順で 45 分きっかりに収まります。

  1. 0〜5分机を寄せて、やることを一言ルール説明はゲーム内の説明画面に任せる
  2. 5〜15分せーのドンで場を温める4ラウンド固定・約8〜10分で時間が読める
  3. 15〜40分めもりあわせ 1〜2ゲーム協力型。1ゲーム約10〜15分 (人数ぶんラウンド)
  4. 40〜45分予備余ったら知ったかリレーを1お題だけ

この時間割は 45 分の一例です。50 分ならメインのめもりあわせ枠をそのまま 5 分伸ばしてください。

1 本目のせーのドンは、「キャンプの設営でやりたい担当は?」のような 4 択のお題に、全員が同時に答えを出して一致を狙うゲームです。声を出すだけで参加できる手軽さが場温めに向いていて、お題のデッキは係決めや席替えなど、教室の場面から選べます。

せーのドン紹介ページへ →みんなの答えを、当てにいく。3〜8人6人で約15分スマホ1台

メインのめもりあわせは、「ひえひえ↔あつあつ」のような目盛りのどこかをヒント役だけが見て、一言のヒントで全員に位置を当ててもらう協力ゲームです。対戦ではなくチーム戦なので、負けて悔しい人が出ません。早く終わったぶんは予備枠に回します。

めもりあわせ紹介ページへ →その「なんとなく」を、合わせにいく。3〜8人6人で約20分スマホ1台

メインに協力型を置いているのには理由があります。勝敗がつくゲームをメインにすると、負けた班へのフォローが司会の仕事になります。協力型なら司会は進行だけ考えていれば済みます。

クラス全員の 30〜40 人ではどう回す?

ここで紹介しているゲームはどれも 3〜8 人用なので、クラス全体でやるなら 8 人以下の班に分けて、班の数だけスマホを用意して同時進行が基本です。進行とタイマーはゲームが持ってくれるので、司会が全部の班を見て回る必要はありません。班ごとに別のゲームを選んでも成立します。

スマホを班の数だけ用意できないときは、代表の班が前で遊び、残りは観客に回す形もあります。この場合は声で盛り上がりが伝わるゲームが向いていて、せーのドンの「せーの、ドン!」で全員が同時に答えを出す瞬間は、見ている側にも結果が分かります。観客を長く待たせないよう、1 ゲーム終わるごとに班を交代してください。

話すのが苦手な人がいるときのゲーム選び

レクの企画で一番悩むところだと思います。選ぶ軸は 2 つで、話す以外の参加方法があるかと、話せなかったときの逃げ道があるかです。

一言で参加できるのは、さっきのめもりあわせです。ヒント役の発言は「たこやき」のような単語ひとつでよく、それ以外の人はスライダーを動かすだけ。長く話す場面が構造的にありません。

めもりあわせのヒント役の画面。「においつよめ↔においひかえめ」の目盛りと、ヒントはたべもので答えてねという指示が表示されている
ヒント役だけが見る画面。この目盛りの位置を、たべもの一言で伝える

はぐれワードは、ひとりだけ違うお題を持つ「はぐれ役」を探すゲームです。必ず話すのはヒントの一言だけで、そのあとの話し合いは聞き役でも成立します。はぐれ役に当たった人が疑われて終わらないかは気になるところですが、はぐれ役は見破れなかった人数ぶん得点する側で、当てられても合計点トップなら最高の称号「はぐれ探偵」をねらえる設計です。追い詰められて負ける役ではなく、逃げ切りを狙う主役という位置づけ。それでも探られるのが苦手そうな相手なら、全員が同じ側に立つめもりあわせのほうを選んでください。

はぐれワード紹介ページへ →ひとりだけ、ちがうお題。3〜8人6人で約10分〜スマホ1台

トークが主役の知ったかリレー系には、詰まったら次の人にまわせるパスがあります。パスも「間」として笑いになるので、話せなかったことが失敗として残りません。

進行のコツはスマホ 1 台の扱いだけ

道具なしレクで唯一の「道具」がスマホです。ここだけ決めておけば、あとはゲーム側が進行を持ってくれます。

  • 誰のスマホを使うか先に決める。ゲーム中は手渡しで回すので、係の 1 台に固定するのが揉めません
  • 音を出すなら音量を先に確認する。効果音はワンタップで消せます

電波の弱い教室なら、ゲームを開いてから機内モードにしてください。まわしてのゲームは一度読み込めば通信なしで最後まで遊べるように作ってあるので、校舎の奥でもバスの中でも途中で止まりません。道具なしレクの弱点は「電波がないと始まらない」ことですが、ここは設計でつぶしてあります。

うまくいくレクに共通する 3 つの条件

最後に、ゲームを差し替えるときの選び方を書いておきます。ここまでの構成は、次の 3 つを満たすように選んだ結果です。

  1. 時間が読める — 学級レクには「あと 5 分で終わって」が必ず来ます。せーのドンが 4 ラウンド固定なのも、知ったかリレーの持ち時間が 1 人 10〜30 秒から選ぶタイマー制なのも、終わる時刻を先に約束するためです
  2. 全員が参加できる — 見ているだけの人が出ると、教室の空気は思ったより早く冷めます
  3. 説明が 1 分で済む — ルール説明が長いと、聞いていない人が出た時点でグダります

道具のあるなしより、この 3 条件のほうが当日の成否を分けます。別のゲームで組むときも、この 3 つで選べば大きく外しません。

まとめ: 準備ゼロでも学級レクは成立する

学級レクは、道具の準備をなくして「時間が読める・全員参加・説明 1 分」を満たすだけで、企画の難易度が一段下がります。休み時間なら 1 ラウンドだけ、お楽しみ会なら協力型をメインに、クラス全員なら班に分けて同時進行。

班をいくつ作って何人ずつにするかは班の分け方にまとめてあります。文化祭は準備や店番の空き時間のほうが長いので、そこで遊ぶ話は文化祭の隙間時間の使い方に別で書きました。

まずは班の人数で 1 ゲーム、試してみてください。