うそじてんは、「フニョレ」のような誰も意味を知らない架空の単語に、全員がそれっぽい嘘の意味を書き、じてんに載っている本物の定義と混ぜて「どれが本物か」を当て合うゲームです。この記事は、その嘘をどう書けば本物に見えるかの攻略です。

僕が作っています。無料・1 卓 3〜8 人・登録なし。作者なので出題側の設計も明かします——単語の音は、意味の方向をちゃんと教えているという話まで書くので、読んでから遊ぶと少し強くなるはずです。

未プレイの人向けに、1 ラウンドの流れを先に置いておきます。スマホ 1 台をまわして遊びます

  1. おだい架空の単語が 1 つ出る意味を知っている人はいないので、隠す必要はありません。全員で見て「どういう意味だと思う?」と雑談してもよい
  2. かく嘘の意味を 30 字以内で書くスマホをまわして、ひとりずつこっそり入力。ほかの人が何を書いたかは見えません
  3. よみあげ匿名リストを読み上げるじてんの本物の定義と全員の嘘がシャッフルされて番号つきで並ぶ。スマホを持っている人が声に出して読む
  4. とうひょう本物だと思う番号に投票もう 1 周まわしてこっそり選ぶ。自分の嘘には入れられません
  5. かいひょう票 → 書き手とじてんの意味2 段階で開く。本物を当てた人と、票を集めた嘘の書き手に点が入る

以下は、この「かく」と「とうひょう」を強くする話です。

本物の定義文は、どんな文体で書かれている?

まず敵を知るところから。じてんに載っている本物の定義は、たとえばこう書かれています。

フニョレ — 出そうなあくびを慌ててかみ殺す仕草のこと。 ペタニョ — 素足で床の冷たさに驚いて跳ねること。 シャコピ — 新品の消しゴムを角から使い始める癖のこと。

共通点が 3 つ見えます。①「〜のこと。」で終わる——「仕草のこと」「癖のこと」のように、名詞で言い切って句点で閉じる。②扱っているのは日常の些細な動作——あくび、素足、消しゴム。③オチがない——面白がらせようとする気配がゼロで、ただ淡々と説明して終わります。

そして長さ。嘘の入力は30 文字までですが、本物の定義を全部数えてみると平均 24 字でした (デッキ別では、そらみみことばが平均 20 字といちばん短く、きもちふうせんが 27 字で長め)。つまり上限を使い切らないほうが本物に紛れます——文字数カウンタが 30 に張りついている文は、それだけで浮きます。

だから、嘘には「オチを書かない」

攻略の核心はこれです。ウケを狙った瞬間に、その文は嘘だとバレます。「〜して、家族に引かれること。」のような一言オチは、書いているときは楽しいのですが、上の 3 つの文体と並べると浮きます。じてんは笑わせにきません。

得点構造を見ると、狙いどころがはっきりします。本物を見抜くと +2 点、自分の嘘に投票してもらうと 1 票につき +1 点。票は人数ぶん積み上がるので、3 人だませば +3 点——つまり伸びしろが大きいのは嘘のほうで、見抜きは手堅い 2 点です。ここで効いてくるのが「オチを書かない」で、ウケ狙いの文は笑いは取れても票が入りません。狙うのは笑いではなく、複数人が本物と間違えて投票してしまう文。淡々とした嘘こそが、いちばん点を稼ぎます。

実際に書いてみます。単語が「タポネ」だとして——

✗ タポネしすぎて、ズボンのボタンが飛ぶこと。 (オチがある) ○ ベルトをゆるめる前の一呼吸のこと。 (言い切り。淡々)

○ のほうは読み上げられても引っかかりません。引っかからない文が、いちばん強い嘘です。ちなみに本物の「タポネ」は「満腹の後にベルトを緩める仕草のこと。」——惜しい嘘ほど票が割れて、本物が埋もれます。

うそじてん紹介ページへ →じてんにのっている意味は、ひとつだけ。3〜8人6人で約15分スマホ1台

単語の音は、意味の方向を教えている

ここからは一段上の話なので、初めての卓では読み飛ばしてかまいません。架空の単語を作るとき、音の気配だけは意味の方向に合わせています。濁音は重い・鈍い、半濁音は軽い・弾む、拗音はねじれ、促音は瞬間。「ギュポン」なら重くて瞬間的な何か、「ペタニョ」なら軽くて弾む何か——実際、ペタニョは「素足で床の冷たさに驚いて跳ねる」でした。

逆に、意味そのものは単語に埋めていません。作問のルールとして、単語に定番の擬音や対象の名詞の語幹を入れることを禁じています。「ぽきずむ = 木の枝がぽきっと折れる様子」のような語を許すと、全員の嘘が同じ方向に収束して、読み合いが成立しなくなるからです。

プレイヤー側にとって、この 2 つは実用的な意味を持ちます。音から読めるのは「重いか軽いか、瞬間か持続か」までで、それ以上は誰にも分からない。だから嘘を書くときは、音の方向にだけ合わせて、場面は自由に選んでいい。「ギュポン」に軽やかな意味をつけると浮きますが、重い動作なら何を書いても本物と同じ土俵に乗ります。

デッキで、書きやすさが変わる

嘘の書きやすさはデッキごとにかなり違うので、卓の顔ぶれで選んでください。

デッキ本物の例嘘の書き方
そらみみカタカナじてん本物の例「新品の消しゴムを角から使い始める癖のこと。」嘘の書き方日常の些細な動作を探す。あるある度が高く、初めての卓向き
そらみみことば本物の例「雨つぶが窓ガラスをはじく音。」嘘の書き方音や気配で書く。「〜する音。」の型が使えるぶん、文体は真似やすい
きもちふうせん本物の例「エレベーターで知り合いと二人きりになったときの気持ち。」嘘の書き方〜ときの気持ち。」の型に、身に覚えのある場面を入れる。共感が強いぶん票も割れる

初めての卓は「そらみみカタカナじてん」から。慣れてきたら「きもちふうせん」——この型は書きやすい代わりに、全員の嘘が本物と同じくらい共感を呼ぶので、票がばらけて本物が生き残りにくくなります。読み合いがいちばん濃くなるのはこのデッキです。

ここまでを、実際に書くときの手順にまとめておきます。

  1. 1音から方向だけ読む濁音なら重い動作、半濁音なら軽い動作。ここで決めるのは「重いか軽いか」だけで、場面までは決めない
  2. 2身近な場面をひとつ選ぶ自分が実際にやったことのある動作・気持ちを探す。凝った設定より、聞いた人が「あるある」と思うもの
  3. 3「〜のこと。」で言い切るオチも感想もつけない。20〜25 字で収めると本物の長さに近づく

読み上げ役は、棒読みで

見落とされがちな実務をひとつ。定義の一覧はスマホを持っている人が読み上げます。つまり読み上げ役は、自分の嘘も自分の口で読むことになる——ここで少し得意げになると、抑揚だけで書き手がバレます。全部同じ調子で、棒読みで読むのが公平で、しかも自分の嘘を守る唯一の方法です。逆に聞く側は、読み手が急に上手くなった行を疑ってください。

見抜く側は、どこを見ればいい?

読み上げられた定義のリストから本物を探すときのチェックは 3 つです。①人間くささを嗅ぐ——ウケを狙った文、感情がこもった文、書き手の顔が見える文は嘘。②文体のズレ——「〜のこと。」で終わっていない、句点がない、長い。③音との不一致——弾む音の単語に、重たい意味がついていたら疑う。

ただし、この記事を読んだ相手は当然「じてんっぽい嘘」を書いてきます。そうなると全員の文体が揃って、決め手は音との相性だけになる——そこまで来たらもう、上級卓です。あと、自分の嘘には投票できません (投票画面では「あなたのうそ」と表示されて選べなくなります)。

開票は 2 段階です。1 段目は票だけ——どの定義に何票入ったかが出ますが、書き手はまだ伏せられたまま。2 段目で、書き手とじてんの意味が同時に明かされます (先に書き手を出してしまうと「持ち主のいない 1 行 = 本物」が見えて、発表の間が消えるからです)。だから 1 段目は「票は集まったけど、これ誰の?」という宙ぶらりんの時間で、ここがこのゲームのいちばん賑やかなところ。2 段目で「その文体ずるい」「完全にだまされた」が一斉に来ます。

まとめ: 引っかからない嘘を書く

本物は「〜のこと。」で淡々と終わる、オチのない 30 字。だから嘘もオチを書かない。単語の音は重い・軽いの方向だけを教えていて、場面は自由。見抜くときは人間くささと文体のズレを探す——うそじてんの攻略は、この 3 点です。ほかのゲームのコツはかぶりけしのヒント術言い訳の組み立て方にもあります。次の卓では、いちばん退屈な文を書いてみてください。それが勝ち筋です。