ゲーム選びの記事はこのサイトにいくつもありますが、実際に会が滑るかどうかは、最後の一画面——お題デッキの選択——で決まることが多い。同じゲームでも、デッキ次第で「初対面でも安全」にも「自己開示がきつい」にもなります。この記事は、僕が作っているサイト「まわして」の全 13 ゲーム・53 デッキを横断して、「この場面ならどれを選ぶか」を作者の立場で一覧にしたものです。

結局、どの場面でどのデッキを選べばいい?

先に早見表です。ゲーム名から各ゲームの紹介ページに飛べます。デッキの説明文はゲーム内の画面と同じ文言なので、この記事の名前のまま探せば見つかります。

場面選ぶデッキ
初対面 (新歓・研修)だれだっけ「とつぜんですが」「みらいのはなし」/ せーのドン「くらしのえらび」「やくわりえらび」/ めもりあわせ「くらしのサイズ」/ うそじてん「そらみみカタカナじてん」
職場・役職差のある席 (部活の先輩後輩にも)くるしいわけ「でんせつ」/ 知ったかリレー「架空のことわざ」/ きもちバレはどのデッキでも
教室・学級レクせーのドン「がっこうのえらび」/ はぐれワード「きょうしつ」/ 知ったかグルメ「幻の給食メニュー」/ かぶりけし「あそびとスポーツ」/ きもちバレ「食卓のひとこと」/ だれだっけ「とつぜんですが」/ うそじてん「そらみみカタカナじてん」「そらみみことば」
家族・子ども混じりはぐれワード「だいどころ」「いきもの」/ めもりあわせ「どうぶつでいうと」/ かぶりけし「いきもの」/ けたちがい「てもとのサイズ」
気心の知れた仲間内どのゲームのどのデッキでも。特に効くのが くるしいわけ「おうち」「ともだち」/ だれだっけ「こどものころ」「マイルール」/ 知ったかリレー「架空の祭り・奇習」/ うそじてん「きもちふうせん」
世代ミックス (同窓会・親戚)知ったかグルメ「幻の給食メニュー」/ かぶりけし「ぎょうじときせつ」/ くるしいわけは「でんせつ」のみ

場面が重なるとき (クラス替え直後の教室、初対面の恋人が混ざる仲間内の会) は、初対面の行を優先してください。安全側の行が常に勝ち、です。ゲームを先に決めている人のために、逆引きも置いておきます。

ゲーム迷ったら場面で変えるなら
だれだっけ迷ったらぜんぶ (おまかせ)場面で変えるなら初対面は「とつぜんですが」に変更 (下記)
せーのドン迷ったらくらしのえらび場面で変えるなら教室は「がっこうのえらび」/ 苦手な人がいる場は「ふしぎなちから」
くるしいわけ迷ったらおうち場面で変えるなら役職差・世代差のある席は「でんせつ」
はぐれワード迷ったらぜんぶ (おまかせ)場面で変えるなら教室は「きょうしつ」/ 家族は「だいどころ」
知ったかリレー迷ったら架空のことわざ場面で変えるなら慣れたら「架空の祭り・奇習」「架空の偉人」
知ったかグルメ迷ったら架空の郷土料理場面で変えるなら世代ミックスは「幻の給食メニュー」
きもちバレ迷ったら待ち合わせのひとこと場面で変えるなら教室・給食後は「食卓のひとこと」
めもりあわせ迷ったらたべものかん場面で変えるなら子ども混じりは「どうぶつでいうと」
けたちがい迷ったらてもとのサイズ場面で変えるなら経験差が出る「スポーツのげんば」等は仲間内で
かぶりけし迷ったらたべもの場面で変えるなら子どもは「いきもの」/ 親戚は「ぎょうじときせつ」
うそじてん迷ったらそらみみカタカナじてん場面で変えるなら仲間内の締めは「きもちふうせん」/ 教室は そらみみ系 2 つから

「迷ったら」の列は、各ゲームで最初から選ばれているデッキそのままです。つまり基本は触らなくていい——ただし 2 か所だけ、例外があります。

既定のままだと危ないのは、2 か所だけ

だれだっけのデッキ選択は、既定が「ぜんぶ (おまかせ)」——全 4 デッキの 96 問を混ぜる設定です。仲間内ではこれがいちばん面白いのですが、混ざる 4 デッキのうち「こどものころ」と「マイルール」は、幼少期の秘密や生活のクセを答える自己開示系。初対面の場でここから「大人には秘密にしていた宝物のありか」が出てくると、答える側に選択肢がありません。

だから初対面の会でだれだっけを出すときだけは、既定を触ってください。「とつぜんですが」(突飛な仮定の大喜利) か「みらいのはなし」(将来の話) を 1 つ選べば、現実の自分を晒す問いは出なくなります。

もう 1 か所はくるしいわけです。既定の「おうち」は家庭のやらかしを言い訳する身近な題材で、気心の知れた席では最高なのですが、実体験が混ざりやすい。役職差や世代差のある席では、架空世界の「でんせつ」に変えてください。

整理すると、「既定のまま」が危ないのは初対面のだれだっけと目上のいる席のくるしいわけの 2 か所だけ。このあと出てくる「バイトさき」などの注意は、既定からわざわざ選んだ場合の話なので、別枠です。逆に、仲を深めたい 2 回目以降の集まりでは、自己開示系の 2 デッキこそが持ち味です。同じ問いが、間柄によって地雷にも武器にもなる——デッキ選びとはつまりこの調整です。

だれだっけのデッキ選択画面。「ぜんぶ (おまかせ)」が選択済みで、とつぜんですが・こどものころ・みらいのはなし・マイルールの 4 デッキが並ぶ
だれだっけの既定は「ぜんぶ」。初対面のときだけ、ここを 1 タップ変える
だれだっけ紹介ページへ →あの人、なんて答えたっけ?3〜8人6人で約10分スマホ1台

「本人の話をさせない」度合いで選ぶ

場面別の判断を 1 本の軸にまとめると、「そのデッキは、本人の何を語らせるか」です。安全側から並べます。

何も語らせないのが架空系デッキ。知ったかリレー / 知ったかグルメの全 10 デッキはお題自体が実在しない組み合わせ生成で (「体験した風に」語るデッキもありますが、語る体験そのものが架空です)、せーのドンの「ふしぎなちから」は超能力の「もしも」だけを問うので、現実の持ちものや好みを一切晒しません。新入りのうそじてんも全 3 デッキがここに入ります——単語もじてんの意味も実在しない創作で、あなたが書くのは「嘘の定義」という 30 文字の作文。晒されるのは文章のセンスだけです (だからこそ、開票の「これ書いたのだれ!?」が自己紹介代わりになります)。

うそじてん紹介ページへ →じてんにのっている意味は、ひとつだけ。3〜8人6人で約15分スマホ1台くるしいわけの「でんせつ」は言い訳ゲームの舞台を王様への茶番劇にした架空世界デッキで、実体験が混ざる経路がない——画面の説明は「ノリのいい仲間に」とテンションを推していますが、実体験が絶対に混ざらないという性質上、役職差のある席 (上司でも先輩でも) でいちばん安全な言い訳デッキでもあります。

好みや感覚を少しだけ語らせるのが、せーのドン「くらしのえらび」(生活のペース) やめもりあわせ全般 (感覚のすり合わせ)。踏み込みは浅く、初対面でも事故になりにくい範囲です。

本人の記憶や癖を語らせるのが前述の自己開示系と、くるしいわけの「おうち」「ともだち」「バイトさき」。やらかしの言い訳という題材が身近なぶん、実体験を混ぜて話しはじめる人が出やすいので、気心の知れた席向けです。「バイトさき」はさらに、シフトや店長面談などアルバイト経験そのものを前提にするので、未経験の人がいる場では外してください。

教室で使うときの注意は 3 系統だけ

全 53 デッキを横断して、お題・セリフ・質問そのものに、お酒・下ネタを直接指定する語彙はゼロです (デッキデータの全文検索で確認済み。13 本目のさんしゅうめを足した時点で測り直しています)。恋愛もほぼゼロで、例外は 1 語だけ——うそじてん「きもちふうせん」に「好きな人からの返信を、開かずにそっと閉じたときの気持ち。」というお題があります。恋バナの起点になりうるので、教室で使うなら同ゲームの「そらみみカタカナじてん」「そらみみことば」を選んでください。範囲を正確に書くと、これは遊んでいる最中に画面へ出るお題の話です。デッキ選択画面の説明文や紹介ページの文章には、場面の例として「飲み会」「お酒が入った席」の語が出てくる箇所があります。教室のプロジェクタに映すなら、紹介ページは開かず「あそぶ」を押した先から映すのが確実です。そのうえで、教室での注意は 3 系統に絞られます。

  1. 自己開示 — 前節のとおり。教室でだれだっけを使うなら「とつぜんですが」を
  2. 前提経験 — 「バイトさき」のほか、けたちがいの「スポーツのげんば」「あそびどうぐのかず」は競技や盤ゲームの経験者がやや有利。当てずっぽう勝負にしたいなら既定の「てもとのサイズ」か、大人の卓なら「まちのかくれた数字」を
  3. 教室でしか成立しない (これは注意というより教室だけの当たり) — せーのドン「がっこうのえらび」は係決めや掃除当番の 4 択で、学級レクでは鉄板、教室の外では外す

最後にひとつ、お題が架空でも答えやトークは自由なので、そこはデータでは守れません。レク係が仕切るなら、最初に「先生に聞かれて困ることは言わないこと」と一言宣言してから始めるのが、いちばん簡単な保険です。

「ぜんぶ (おまかせ)」があるゲーム、ないゲーム

おまかせミックスがあるのは、だれだっけとはぐれワードの 2 つだけです。はぐれワードのほうは既定の「ぜんぶ」のままが推奨——1 デッキ 14 ペアは 5 ゲームほどで一周してしまい、固定すると消去法が効き始めるからです (ワード系のコツ記事に詳しく書きました)。

残り 11 ゲームにミックスがないのは手抜きではなく、答え方の枠がデッキ単位で決まっているからです。めもりあわせの「ヒントはたべもので」、知ったかリレーの「意味 → 由来 → 使用例」、うそじてんの「この語感ファミリーの文体を推理する」——この枠ごと混ぜるとラウンドごとに頭の切り替えが必要になり、テンポが死にます。1 ゲーム 1 デッキで回して、次のゲームでデッキを替えるのがきれいな回し方です。

全 53 デッキ一覧

最後に、名前で探せる全量リストを置いておきます (説明はゲーム内のデッキ説明の要約です)。

ゲームデッキ
知ったかリレー架空のことわざ (定番・迷ったらこれ) / 架空の祭り・奇習 (体験風に盛る) / 架空の偉人 (うんちく合戦) / 架空のスポーツ・競技 (身振りが入る) / 架空の生き物 (子どもから大人まで) / 架空のマナー・作法 (言い切る度胸勝負)
知ったかグルメ架空の郷土料理 (定番・グルメリポート風) / 幻の給食メニュー (全世代の共通体験) / なんちゃって屋台グルメ (夏祭り) / 架空のスイーツ・お菓子 (甘党の集まり)
きもちバレ待ち合わせのひとこと (定番) / 食卓のひとこと (給食でも家でも) / お店のひとこと (接客あるある) / 返事のひとこと (テンポ重視)
くるしいわけおうち (定番・家庭のやらかし) / ともだち (日常の気まずさ) / バイトさき (バイト経験者向け) / でんせつ (架空世界・目上がいても安全)
はぐれワードぜんぶ (おまかせ) (既定・推奨) / だいどころ (家族の鉄板) / いきもの (子ども可) / まちなか (おでかけ) / きょうしつ (教室でそのまま)
だれだっけぜんぶ (おまかせ) (既定・仲間内向け) / とつぜんですが (初対面はこれ) / こどものころ (自己開示系) / みらいのはなし (初対面可) / マイルール (自己開示系)
めもりあわせたべものかん (定番) / どうぶつでいうと (語彙がやさしい) / くらしのサイズ (初対面でも安心) / まちのなか (通学路の風景)
せーのドンくらしのえらび (定番) / やくわりえらび (担当決め) / ふしぎなちから (何も晒さない安全弁) / がっこうのえらび (教室専用)
けたちがいてもとのサイズ (定番・当てずっぽう勝負) / あそびどうぐのかず (盤ゲーム経験差あり) / スポーツのげんば (競技経験差あり) / まちのかくれた数字 (大人向け・豆知識つき)
かぶりけしたべもの (定番) / いきもの (子どもと遊ぶなら) / いえのなか (高難度) / あそびとスポーツ (学校・部活) / ぎょうじときせつ (親戚・世代ミックス)
うそじてんそらみみカタカナじてん (定番・日常のあるある) / そらみみことば (架空オノマトペ・想像力勝負) / きもちふうせん (名前のない気持ち・仲間内の締め)
えでんごんからだのふしぎ (定番・初めての集まりに) / 学校のできごと (クラスや部活で定番) / きもちとようす (絵が苦手でも戦える) / まちのようす (世代ミックス可)
さんしゅうめいきもの (定番・鳴き声が武器になる) / みのまわりのどうぐ (使う動作がそのまま手ぶり) / はたらくひと (世代が混ざる席で)

「ぜんぶ (おまかせ)」は選択肢としてはこの 2 ゲームだけの特別枠なので、数えるならデッキ 53 + おまかせ 2 です。

まとめ: デッキ選びは「誰の何を語らせるか」の調整

53 デッキの選び方は、突き詰めれば 3 手順です。場面で早見表を引く → だれだっけだけは初対面で既定を変える → 迷ったら架空系 (何も語らせないデッキ) に寄せる。デッキの説明文はすべて選択画面にも書いてあるので、この記事を閉じたあとも、画面の説明の「学校」「初対面」「子ども」の語を目印にすれば大きく外しません。シーン別の進行例はアイスブレイクの選び方学級レクの組み立て方にまとめています。