けたちがいは、「千円札の横の長さは何 mm?」のような数字クイズに、ひとりずつこっそり答えを入れて、誰の数字か伏せたまま小さい順に並べてから、いちばん近そうな答えをみんなで選ぶゲームです。「そんなの知らない」と思ったあなたが正しくて、このゲームは知っている人が勝つようには作っていません。知らない数字にどう近づくか、その手順の記事です。

僕が作っています。無料・1 卓 3〜8 人・登録なし。

  1. おだい数字クイズが全員に見える「卓球台の縦は何 cm?」のような、正解がひとつだけある問い
  2. にゅうりょくキーパッドでこっそり入れるスマホをまわして自分の予想を入力し、伏せて次の人へ。ほかの人の数字は見えない
  3. ならぶ匿名で小さい順に並ぶスマホは真ん中に置いたまま。誰の数字かは伏せられている
  4. しるしいちばん近いと思う答えに印順番にひとりずつ選ぶ。自分の答えを選んでもよい
  5. せいかい正解と持ち主が同時に出るいちばん近かった人に +2 点、その答えに印をつけていた人に +1 点

知らなくても当たるのはなぜ?

出題される数字には、ひとつ共通点があります。どれも「誰かが決めた数字」だということです。郵便はがきの寸法、千円札の横幅、点字ブロックの 1 辺、エレベーターの定員 1 名あたりの重さ——全部、規格として決められた値です。

これが効いてきます。自然にばらつく数字ではないので、身の回りの物と比べれば手がかりが取れる。千円札なら財布から出せば見当がつくし、点字ブロックなら足のサイズと比べられます。「知っているか」ではなく「手元のものと比べられるか」の勝負です。

逆に、計算で答えが出てしまう問題は入れていません。掛け算で解ける問いにすると暗算の速さ比べになり、当てずっぽうの面白さが消えるからです。だから電卓は要らないし、数字に強い人が有利でもありません

出題の側でもうひとつ避けているのが、答えが揺れる問いです。統計の平均値 (毎年変わる)、複数の規格が併存しているもの (メーカーごとに違う)、地域や区分で違う数字——これらは「正解はいくつか」で揉めるので入っていません。だから画面に出る問いは、調べれば必ず 1 つの数字に行き着くものだけ。「答えが 1 つに決まる」という前提があるから、安心して当てずっぽうを言えます。

けたちがい紹介ページへ →せいかいは、たぶんこのへん。3〜8人6人で約15分スマホ1台

桁から決める、が最短の手順

具体的な詰め方はこの順番です。

  1. 1知っているものを 1 つ思い出す千円札なら財布から出す。点字ブロックなら自分の靴。比べられる実物を先に決める
  2. 2比べて桁を確かめる手のひらより少し長い → 100 mm 台。靴 1 足半 → 30 cm 台。ここが合っていれば大きくは外れない
  3. 3キリのいい数字を素直に書く規格は 150 や 30 のような区切りのいい値で決められていることが多い。ひねらず、そのまま書くのがいちばん近い

ゲーム名のとおり、このゲームで致命傷になるのは桁の間違いだけです。150 mm と答えるべきところで 160 mm と外しても順位はほとんど動きませんが、1500 mm と書いた瞬間に勝負から降りることになります。迷ったら細部を詰めるより、桁が合っているかを見直すほうが点になります。

手順 3 で「ひねらない」と書いたのには理由があります。規格は人間が決めた値なので、そもそもキリのいい数字であることが多い——千円札の横は 150 mm、点字ブロックは 1 辺 30 cm。ここから「みんな 150 と書くだろうから自分は 148 で」とずらしても、近さで負けるだけで得はしません (次の節のとおり、他人と同じ距離でも点は減らないからです)。

同じだけ外していたら、どうなる?

得点の仕様に、安心材料がひとつあります。いちばん近い人が複数いたら、その全員に +2 点が入ります。山分けではありません。

たとえば正解が 150 で、あなたが 140、別の人が 160 と答えたなら、距離はどちらも 10。上下どちらに外していても同じだけ近ければ、両方とも 2 点です。つまり他の人と数字がかぶることも、同じくらい外すことも、まったく損になりません。「人と違う数字を書かないと勝てない」というゲームではないので、駆け引きを考えずに自分がいちばん近いと思う数字をそのまま入れるのが最善手です。

印をつける番で、何を見る?

このゲームは自分の数字を入れて終わりではありません。匿名で並んだ全員の答えを見てから、いちばん近そうな 1 つに印をつける——ここで +1 点が動きます。

印の段になると情報が増えています。7 人が 140〜160 に固まっていて、ひとりだけ 800、という並びなら、多数派の帯のどこかが正解の可能性が高い。逆に数字が広くばらけているときは、中央付近が無難です。「30」と「300」が同じ列に並んでいるのを見た瞬間に笑いが起きるのがこのゲームの名物ですが、そういう回ほど印は慎重に。

そしてもうひとつ、印は順番に 1 人ずつつけていき、先につけた人の印はその行に表示されます

  1. 1 番目数字の並びだけで決める他人の印はまだ 1 つもない。分布だけを見て選ぶことになる、いちばん不利な番
  2. 2 番目〜前の人の印が見える「あの行に 2 人が集まっている」が判断材料に加わる
  3. 最後全員の判断を見て選べる情報量は最大。ただし全員が前の人に追随していると、全滅もありうる

つまり 2 番目以降の人は、前の人がどこに印をつけたかを見てから決められる。最後の人にいたっては、全員の判断を見たうえで選べます。

これは実質的に後ろの番ほど有利ということなので、知っておくと 2 つ得をします。ひとつ、自分が後ろの番なら、先の人の印が集まっている行は情報として使える (ただし全員が前の人に追随すると全滅もあるので、明らかにおかしいと思ったら自分の目を信じてください)。ふたつ、自分が 1 番目のときは他人の印を参照できないぶん、数字の分布だけで判断することになります。そこは不利な番だと割り切って、外れても気にしないほうが健全です。

ひとつ仕様の注意も。自分の答えに印をつけることはできますが、その場合 +1 点は入りません。自分の行を選べなくすると、それだけで「選べない行 = あの人の答え」と持ち主が漏れてしまうため、UI では選べるようにして、採点で弾いています。自分が絶対の自信を持っていても、印は他人の答えに置いたほうが得です。

点の 3 分の 1 は「見抜き」でできている

得点をもう一度見ると、このゲームの性格が分かります。1 ラウンドで取れるのは最大 3 点 (最接近 +2 と、印が当たって +1)。つまり3 分の 1 は、自分の予想ではなく他人の答えを見る目で決まります

これは救済としてよくできていて、自分の数字が的外れだったラウンドでも、印さえ当てれば点が入る。予想が苦手な人が置いていかれないための作りです。逆に言うと、自分の答えに自信があるラウンドほど、印のほうを雑に選びがち——そこで 1 点を落とすのがいちばんもったいない失点です。

進行の実務も書いておくと、1 ゲームは 4 ラウンドで約 10〜15 分。入力は画面の中のキーパッドで、スマホの文字キーボードは出てきません。数字を大きなボタンで押すだけなので、付け爪でも操作できます

デッキは「基準物が手元にあるか」で選ぶ

ここまでの手順は、比べる実物が手の届く範囲にあることが前提でした。だからデッキ選びも、場面の向き不向き以前にその卓に基準物があるかで決まります (場面別の一般的な選び方はデッキの選び方大全に譲ります)。

  • てもとのサイズは、財布から千円札を、筆箱から消しゴムを出せばその場で比べられます。全員が同じ実物を見られるので、いちばん知識差が出ません。初めての卓はここから
  • あそびどうぐのかずは、将棋やトランプが目の前にあるなら強い味方ですが、無ければ記憶だけが頼りになります
  • スポーツのげんばは、体育館やグラウンドが見える場所ならコートのラインが基準物になります。そうでない場所では競技経験の差がそのまま出ます
  • まちのかくれた数字だけは、手元に基準物が置けません。当てにいくデッキというより、答え合わせで「へえ」が残るタイプとして、2 本目以降に

つまり遊ぶ場所を見回して、比べられるものが多いデッキを選ぶ——それだけで知識勝負が観察勝負に変わります。

まとめ: 桁を合わせて、あとは近づける

正解は誰かが決めた規格の数字だから、身の回りと比べれば手がかりが取れる。詰め方は実物を思い出す → 比べて桁を確かめる → キリのいい数字を素直に書く。人とかぶっても同じだけ外しても損はしないので、駆け引きは不要。点の 3 分の 1 は印で決まり、後の番ほど他人の印が見えるぶん有利。印は自分以外に置く——けたちがいのコツはこれだけです。

ほかのゲームのコツはせーのドンの多数派の読み方かぶりけしのヒント術にもあります。

次の卓では、細部より桁を見直してみてください。