さんしゅうめは、同じ 6 つの言葉が 3 周まわってくる言葉当てゲームです (僕が作っています。無料・1 卓 3〜8 人・登録なし)。手番の人だけが画面の言葉を見て説明し、ほかの全員が声で当てる。違うのは周ごとの縛りで、1 周目は自由、2 周目はひとことだけ、3 周目は言葉が使えません

説明役と聞くと身構えるかもしれませんが、先に事実をひとつ。手番の数は人数ではなく言葉の数で決まります。6 語が片づけばその周は終わるので、手番はそう多くありません。そして残りの時間は、ずっと当てる側です。

  1. 1 周目自由に説明する言葉そのものと、その一部を言うのだけが反則。持ち時間は 20・30・45 秒から選ぶ
  2. 2 周目ひとことだけ同じ 6 語がシャッフルされて戻ってくる。全員がもう見ているので、ひとことで足りる
  3. 3 周目言葉を使わずに声は出せる。座ったままできる範囲の手ぶりと、鳴きまね・擬音・鼻歌

点は「通じたつなぎ目」にだけ入る

得点はとても単純です。当たったら、説明した人と当てた人に 1 点ずつ。それだけです。

つまりうまい説明かどうかは採点されません。採点されるのは通じたかどうかだけで、しかも当てた側にも同じ 1 点が入ります。外しても減点はないので、当てる側で黙っているのがいちばん損です。

ただし当てて点が入るのは、1 語につき 1 人だけ。当たりを押した説明役が「誰が当てたか」を選ぶ形なので、3 人同時に叫んでも 1 人しか取れません。当てる側の実務は「早く・はっきり・言い切る」で、ぼそっと言うと隣に持っていかれます。

結果画面には 6 語 × 3 周の表が出て、称号が付きます。「伝えるのが得意」「聞きのがさない」「伝えるも当てるも」、そして説明でも当てでも 1 点も入らなかった人が「つぎは通す」。評価する言葉はどこにも出ません (順位と点数そのものは出ます)。

さんしゅうめ紹介ページへ →さっき出た言葉が、もっと不自由になって帰ってくる。3〜8人6人で約10分スマホ1台

1 周目の説明は、自分のためではない

ここがこのゲームでいちばん誤解されやすいところです。「1 周目にちゃんと説明しておかないと、2 周目に自分が困る」——そうはなりません。

理由は単純で、語の順番が周ごとにシャッフルされるからです。仮に同じ人が同じ順番で説明役に立ったとしても、そのとき手元にある語は入れ替わります。1 周目に自分が説明した語を、2 周目も自分が説明する保証はありません。

じゃあ 1 周目に手を抜いていいかというと、逆です。2 周目のひとことが効くのは、1 周目の説明が全員の頭に残っているときだけだからです。あなたの説明を使うのは次の説明役で、その人が通せばあなたは……何も得しません。当てる側に回ったときに 1 点入ります。

そしてこのゲーム、点の大半は当てる側で積むものです。手番が何回あろうと関係ありません——説明役は座席順に 1 人ずつ回るので、6 人卓なら手番の 6 回に 5 回はあなたが当てる側です。8 人卓なら 8 回に 7 回。説明で稼ぐゲームではありません。

そう考えると、1 周目にやることははっきりします。その語について、みんなが覚えていられるフックを 1 つ置く——凝った説明より、あとで呼び出せる引っかかりのほうが価値があります。

2 周目のひとことは、1 周目から取る

紹介ページに載せているプレイ例が、この構造をそのまま見せています。「かたつむり」の 1 周目が「殻を背負ってて、雨の日に葉っぱの裏にいる、あのゆっくりしたやつ」。そして 2 周目のひとことが——「あじさい」。

このひとことは、1 周目を聞いていない人にはまったく通じません。全員が同じ 6 語を見ていて、しかも「雨の日」という手がかりを共有しているから成立します。

だから 2 周目に探すのは、言い換えではなくさっきの説明のどこか一点です。1 周目で誰かが言った印象的な語、そのとき起きた笑い、外れた珍答。それを 1 語で指させば足ります。ここまで来ると当てる側も「さっき出たあれだ」で反応できるので、きついはずの 2 周目のほうがよく当たる——そうなるように作ってあります。

ひとつ注意があります。6 語は 26 語のデッキから単純に引かれるので、同じ仲間の語が 2 つ入ることがよくあります。いきものデッキには鳥が 5 種いて、鳥だけ数えても 6 語に 2 種以上入るのは 3 回に 1 回です。「とり」で指すと両方に当てはまって共倒れするので、カテゴリを指す語ではなく、その語だけに刺さった 1 周目のフックを選んでください。

3 周目は「声が出せない」わけではない

いちばん多い誤解がこれです。3 周目に使えないのは言葉であって、声は使えます

鳴きまね、擬音、鼻歌、ため息——ぜんぶ有効です。「んーっ、んーっ」だけで通じることが普通に起きます。全員が同じ 6 語を覚えているので、候補が 6 つしかない状態で手ぶりを見ているからです。

ひとつだけ制約があります。座ったままできる範囲に収めてください。立ち上がったり歩き回ったりする前提の表現は、この形では使えません。学校の教室でも飲み会の座敷でも、机を動かさずに成立させるための約束です。

そしてここで、1 周目に置いたフックの質が出ます。3 周目は言葉が使えないので、語で呼び出せるフックは死にます。 「かたつむり」を 1 周目に「雨の日に葉っぱの裏にいる」と説明していたら、2 周目は「あじさい」で通っても、3 周目にそれを手ぶりにはできません。でも「殻を背負ってる」と言っておけば、3 周目に背中を丸める動作がそこを指せます。

だから 1 周目に置くべきなのは、ただの引っかかりではなく——手ぶりか音に翻訳できる引っかかりです。かたち、動き、鳴き声。ここまで意識して 1 周目を説明する人が 1 人いると、その卓は 3 周目がまるごと変わります。

パスは逃げではなく、並べ替えの手

「パス」は逃げの手ではなく、並べ替えの手です。押した語は消えずに山の底へ回るので、同じ周のうちにまた出てきます——残りの語数によっては、自分の手番のうちにもう一度戻ってくることもあります。

ただし 1 周目のパスは博打です。画面に出ているのは今の 1 語と「のこり N 語」という数だけで、次に何が来るかは見えません。詰まった語を、まだ見ぬ語と交換しているだけ。

2 周目からは変わります。全員が 6 語を知っていて、この周にどれが片づいたかも声で聞いているので、残りの顔ぶれを知ったうえで回せます (分からないのは順番だけ)。だから 3 周目に手ぶりにしにくい語が来たら、迷わず底へ。動きのある語を先に取って、戻ってきた難語に余った時間で挑めます。戻る前に時間が切れたら次の人に渡りますが、それも込みで選ぶ手です。

ただし画面が出すのは「のこり N 語」という数だけで、顔ぶれのほうは記憶頼みです。だから実際に効くのはのこり 2〜3 語まで来てから——ここまで減ると残りが消去法で言えるので、「今の語を捨てても次はあれかあれ」と読めます。残り 5 語で回すのは、2 周目でもまだ博打に近い。周が進むほど、そして周の中でも後半ほど、情報が積み上がるというのがこのゲームの芯です。

残り 1 語のときだけは、回しても同じ語が戻るだけなので手番が終わります。押す前に分かるよう、ボタンの文字が「パスして手番をおわる」に変わります。

もうひとつ、気が楽になること。「当たり」を押したあと、誰が当てたかを選ぶ間はタイマーが止まります。名前を探す操作で持ち時間が減ることはないので、当たったらすぐ押して大丈夫です (自分の名前は並びません)。

当たらなかった語は周の終わりに全員へ開示されるので、知らない語に次の縛りが掛かることはありません。

デッキと持ち時間はどう選ぶ?

デッキは 3 つです。初めての卓なら「いきもの」——鳴き声と動きが両方使えるので、3 周目がいちばん盛り上がります。「みのまわりのどうぐ」は使う動作がそのまま手ぶりになるので、表現に自信がない人が多い卓向け。「はたらくひと」は仕事の動作で伝わるので、世代が混ざる席で通じます。

持ち時間は 20・30・45 秒。既定は 30 秒で、7 人以上の卓では最初から 20 秒が選ばれています (もちろん変えられます)。短いほど 1 手番で片づく語が減り、そのぶん手番の数が増えて説明役が行き渡るからです。

これは実務的な理由があります。手番の総数は語数で決まるので、大人数の卓だと説明役が一度も回ってこない人が出ることがあります。「私まだ一回もやってない」は仕様どおりで、20 秒はそれを緩める手です。逆に、じっくり説明したい 4 人程度の卓なら 45 秒でも枠に収まります。

まとめ: 置いていくのはフック 1 つ

点は通じたつなぎ目にだけ入り、説明した人と当てた人の両方に 1 点ずつ。手番の総数は語数で決まるので、点の大半は当てる側で積みます——だから声を出したほうが得で、早く言い切ったほうがもっと得です。1 周目に置くのは凝った説明ではなく、手ぶりか音に翻訳できるフック。それを使うのはたいてい別の人ですが、その人が通せばあなたも当てる側で拾えます。詰まったらパスで並べ替える。

ほかのゲームのコツはえでんごんの描き方かぶりけしのヒントの出し方にもあります。

次の卓では、1 周目に「あとで手ぶりにできる引っかかり」を置いてみてください。3 周目にそれが返ってきます。